正論 2012年2月号

正論 2012年2月号
■発行産経新聞社
■定価 740円(税込み)

正論連載53回目にして、はじめてカラーページを回してもろた。月刊誌のカラーページはわしもよう知っとるが、締め切りも早いは広告がらみもあり、もうギチギチ、新たに割り込む余地なんかほとんどない。あの文藝春秋は半年さきまで、1ページの余裕もない、下手したら1年後の掲載みたいなもんである。せやから月刊誌のグラヴィアページは時事ネタはほとんどないかわりタイアップの紀行もんや、美女ものが多いのである。そんな事情にもかかわらず、1ページとはいえカラーページをぶん獲った担当編集者のご苦労察してあまりある。しかし今回の大スクープだけはカラーやなかったら価値が半減してまうのである。どんなスクープかはちゃんと書店で買うて見てや。締め切りは東北出張中、しかも翌日福島原発6キロ圏内に早朝向かう夕方、その日までに入稿と知らされあわてた。週刊文春と入稿重なり、一睡もできん上ろくに調べもできず、ええかげんな原稿しか用意できず、そのまま出動してしもうて、気になっていたが、担当氏の知識と取材でなんとか読める原稿にしていただいた。それにしてもあの旗の起源がトラファルガー海戦やったとは、おのれの取材ならぬ原稿、つまり担当氏に教えられた。ご苦労様でした。ほかには黒井文太郎氏の「網軍」と呼ばれる中国サイバーテロ専門の大組織がやっぱあったか。その名もネットやから「網軍」か・・・それにしてもペンネームの黒井というのはなんとかならんか?写真誌以来のつきあいで有名な軍事ジャーナリストの地位確立されたんはうれしいが、もう本名名乗られてもええんちゃう?さらに松尾一郎氏の「写真の罠と戦い続けて」は職業柄あの有名な南京の瓦礫のなかで泣き叫ぶ赤ん坊の写真は知っとる。大学一年のとき清水の舞台から飛び降りるつもりで6回ローンで買った1万5千円の「THE BEST OF LIFE」にも掲載されていた。近年やっと中国以外では完全なやらせ宣伝写真と知れ渡り、ほかのカットにはわざわざ火傷の赤ん坊をホームに置くアメリカ系中国人のこれを撮ったカメラマンまで写りこんどるから、もう言い逃れできんが、そのカットが中国で公開できることは絶対ないやろな・・・