正論 5月号

正論 5月号
■発行産経新聞社
■定価740円(税込み)

本号連載は東日本大震災1周年を取材中、一月を東北で過ごした際宮城県の雄勝町の公民館の屋上に打ち上げられたバスの撤去作業の終了時にあった同じ被災地の大槌町の太鼓隊の威勢のいい演技。それにしても寒い。横殴りの吹雪の中もろ肌まではいかんが、薄着でよく最後まで太鼓をたたきつづけ、東北人の根性を見た。震災1周年を前にテレビ、新聞大メディアが大挙クルーを三陸沿岸各地に送り込んできて、ただでさえ少ない営業再開した宿がいっつもどこも満室。この写真撮った3月10日の夜なんかもう全滅。四句11日は1周年当日、夜明けまえから慰霊の行事が沿岸部で続くから内陸部に宿泊できんからあせった。まあ震災発生当初の苦労をしのび、車内泊も覚悟したが、幸い気仙沼で通信社の若い衆見つけ、ツインの片方のベッドを借りた。言うとくが、その「ホテル観洋」にはちゃんと宿泊手続きして5時間もおらんかったが、ちゃあんと1泊分払うたで。翌11日はうってかわって宿が空いた。これは瞬間的に大物司会者やジャーナリストが特番のためぞろぞろ連れてきたスタッフとともに東京にトンボ帰りしたためである。しかし宿が空いていたのもつかの間、現在も復興作業関係者が長期滞在しまくっとるから沿岸部で宿がなかなかとれないのは変わらんはず、とくに沿岸やないが仙台まで今回も前回も一泊も宿がとれんほどである。震災発生直後から営業していたわしの行きつけの根性ある炉端焼きの店にもそういうわけで、東北まできときながらご無沙汰続きである。ただ沿岸部にも隠れホテルがわしにもある。しかも天然温泉まで再開しとる。ここだけはかならず泊まれた、がネットがフロントあたりでしか通じなし、コインランドリーが高い。名前だしたらもう泊まれんようになるから明かせんが、松島あたりや。石巻まで離れてないがそれでも毎日300から400kmは走る。これで一関や花巻、盛岡あたりに宿構えたら、もっと走るはめなるし、取材時間までなくなってまう。他には本編最初の論説「折節の記」、あのテレビドラマ「運命の人」について述べられてる。わしもリアルタイムであの機密文書漏洩事件覚えているて、主人公のモデルになった毎日新聞の西山記者も外務省女性職員も顔おぼえとるがあんな本木雅弘みたいなカッコええ訳ないやないか、とかなり違和感持っていたが、やっぱ同じ意見持った方多かったんやな。冒頭の写真もゼミの先輩渡辺照明先輩のものやが、渡辺先輩のお名前はご両親がほんまにカメラマンになれるよう付けたとしか思えんぐらいりっぱなお名前やと日頃からうらやましかったもんですわ。名前負けされずこの写真もライティング(照明)の計算さすがですな。あと西村眞悟氏の「南京大虐殺という大虚構」での、あの名古屋市長の河村たかし氏が「南京大虐殺はなかった」という「当たり前のことを言ったというのは知らんかった。いまだ民主党やと思うがよう言ったという西村氏とわしも同意見。河村氏は中国大陸入国できんようになっても、中国人観光客が名古屋来んようになってもたいしたことないで。