正論 6月号

正論 6月号
■発行産経新聞社
■定価740円(税込み)

本号の連載はやっぱりタイムリーに北朝鮮のミサイル発射実験。2度にわたりのべ10日も石垣に滞在しとったのである。石垣に長期いたのはオウムの石垣セミナー以来やが、10日間で一回もビーチに行くどころか、青い海もまったく。人工的な埋立地のPAC3ランチャーの向こうに時折緑のさんご礁っぽいのが見える程度。いや海側からランチャー撮るために漁船チャーターする余裕ないから竹富島への渡し船に乗って何回も往復した。まあ竹富まで片道15分そのときぐらいか青いさんご礁見れたのは。あとはずうとせっまいビジネスホテルの客室で。ベッド移動して三脚据え500mm超望遠のファインダーのぞきっぱなし。まあ仕事で来たんやからとビーチでちゃぷちゃぷというのはあきらめとったが、やっぱもったいない感があった。しかし所が所や。石垣といえども沖縄県。オキナワである。そりゃあ米軍大嫌い、自衛隊もついでにないほうがいい。島内の報道でも「緊迫感が高まって・・・」というとったけど、島民結構のんびりしとったで。PAC3載せた輸送艦入港するときなんか、嫌がらせみたい波止場と輸送艦のせっまい間漁船がぶっとばしていくし、島内移動中はミサイルの前現ちゃり横切っていくわ。わしは尖閣上陸したことある数少ない日本人やが、石垣は尖閣への前線基地でもある。去年海保の巡視船に突っ込んだ中国人海賊がパイされるまで縄打たれていたのも石垣である。せやからもうちょっと領土意識が島内に高まってもええんやが、本号のコラムでも東京都の尖閣購入関連が多いが、CROSS LINEの高崎経済大学の八木秀次教授のフォークランド紛争30年は目を引いた。そやフォークランドは現在の竹島なんや。最近M.ストリーブ主演のM.サッチャーの映画がオスカー獲ったと話題になっとるが、なんで世論は竹島や尖閣と関連してもりあがらんのやろ?わしはサッチャーが来日したときはすでに今の稼業就いていたが、残念ながら実物のサッチャー撮る機会に恵まれんかったが、八木教授の原稿にもあるフォークランド紛争終結時の演説をフルで報道特集番組で見て鳥肌たったのを覚えている。「人命にかえても領土を守る」やったけ・・・覚えてないやないか。締めは「I am proud of to be British」やったけな、文法的におかしいな。まあ当時のKGBが「鋼鉄の女」「鉄のマギー」とコードネームつけたぐらいの強いイメージやが、もっとよう覚えとるのは来日時にあわせたようにテレビの洋画番組で007も演じたR・ムーア主演の「北海ハイジャック」が放送された映画ではもろM.サッチャーがモデルのタカ派の英国女性首相が油田ハイジャック犯に毅然と戦いを臨むシーンがある。その女性首相の吹き替えを当時「和製サッチャー」と呼ばれてうれしがっていた社会党の土井たか子委員長がやりよったのである。わしはこの目で見てこの耳でしっかり聞いた。まあ政治家とはいえ本職の声優にはかなうわけもなく、そのシーンだけしらけたで。しかし何が「和製サッチャー」や。かたや「人命にかえても領土を守る」かたや「自衛隊は違憲」いまとなっては、いや当時から大笑いやった。