ARMY 2012年春 第56号

ARMY 2012年春 第56号
■編集・発行防衛省陸上幕僚監部 広報室 
ARMY編集部
■定価無料

今年もまた「PHOTO OF THE YEAR」の選考、発表の季節になってきました。毎年ものすごい数の写真を見るんやが、今年からは「一般の部」と「災害派遣の部」の2部門になった。本誌にもふれとるが、家を家族を財産を失い悲しみを増大させる災害写真に優劣つけるのにははばかれるが、復興にむけての勇気を希望を奮い立たせる作品には発表する意義はあるという信念で選ばせてもろた。審査員も例年通り、ワシのほかは福田、菊池、大野4人のミリタリーの世界ではそこそこうるさいカメラマンである。その4人全員が今年の最優秀で選んだ作品がすごい。4人全員の意見一致したのもはじめてやろ。わしからは非の打ち所がない作品やが、菊池カメラマンは縦にしたら完璧だと評価された。わしらがどんな手練手管ろうしたってこれだけの瞬間、このアングルで押さえられるもんやない。審査のときは撮影時の詳細は知らされておらんかったが、この被写体となったWAC(女性自衛官)は医科歯科幹部候補生やったんか・・・その卒業式のワンシーンかいな。雨、雪はカメラマンの天敵やが、まさに雨降ったからこそものにできた作品や。晴れとったら制帽のひさしの陰で表情シャドーに黒くつぶれとったやろ。そしてびしょぬれの制帽のおかげでわかい横顔は濡れないと思うとったらほほに一筋のなみだが・・・まあできすぎや。しかしこの作品が優秀な最大な原因は被写体の若いWACが鼻筋の通った美人やったことであろう。作品の批評、わしだけ関西弁やから審査会のときのコメントを筆記したみたいやが、ちゃう。4人とも一月はかけて自衛官の手による作品を見まくったのである。佳作作品の「もう一歩」でも署名なくてもわしの批評すぐわかる。それにしても昨今の作品のレベルの高さは目を見張る。モチロンそのほとんどというか全部がデジタルであるが、超高感度域がフィルムとくらべもんにならんほど広がり夜景作品にもはや作ったとしか見れんような作品もあるし、砲弾までとめてしまうほど高速シャッタースピードが切れるようになったせいもあるが、誰でも気軽に写真が撮れそれを直ちに再生でき、確認できるようになったというのが最大の理由であろう。