日独軍用車両写真集 

日独軍用車両写真集
■発行(株)大日本絵画
■定価3200円(税別)

すごい!こんなお宝写真がようもこんなにぎょうさんも。とくにナチス時代とはいえ、さすがライカとローライ、コンタックスの国である。堅苦しい公式写真と違い自然な表情がおおいスナップ写真に加え、貴重な実戦中の戦闘車両もふんだんに掲載されとるが、なによりびっくりは帝国海軍特二式内火艇「カミ」。内火艇というからちっちゃい艦載用のボートかいなと思うたら大違い。もとは試作の九五式軽戦車。帝国海軍は上海事変以来海兵隊に匹敵する陸戦隊があったがその陸戦隊が敵前上陸する際使用する水陸両用戦車、というてもあくまでもとは九五式戦車、その前後にカポック製のフロートをぴったし装着、動力は戦車のキャタピラ軸を2軸のスクリューに切り替えたという。そうか、海上自衛隊のライフジャケットをカボックというが、あれフロート用の木のカポックからきとったんやろか。しかし伝統を重んじるというか融通がきかんというか、実質戦車を今も自衛隊で使われとる「内火艇」と名づけるとは。写真はレイテ島で米軍に接収された「特二式内火艇」を実際海上走行しとる激レアのシーン。その速度と機動性に驚愕したという。戦艦、空母、ゼロ戦と当時の世界最新、最強の技術を実現させた陸海軍やが戦車にかんしては非力やった。もちろん同盟国ドイツなみの重戦車の開発に全力を注いでいたものの結局間に合わず、というより、太平洋の島々が主戦場となったためこの「特二式内火艇」や95式軽戦車みたいに軽くて機動性がええ戦車が重宝されたとであろう。しかし上陸したり攻めこんだりみたいな作戦では95式軽戦車やドイツの2号戦車のような武装は貧弱やが機動性がある車両がええが、いざ島を防衛し、敵上陸大部隊を迎え撃つとなると・・・シャーマンみたいな重戦車が大軍で迫ってきたら、心細かったこであろう。他にも日独の戦車のみならず軍用車両のお宝写真が満載、お買い得感も満載や。