月刊モデルグラフィックス 7月号

月刊モデルグラフィックス 7月号
■発行(株)大日本絵画
■定価780円(税込み)

ひっさしぶりに模型専門誌からお座敷がかかった。ただし本道?の模型のほうやなしに、実物のしかも実戦中の戦車のほうで。そりゃあ模型道のほうではしょせんシロートやが実戦の写真のほうではプロやし、バグダッドでは米軍のM1戦車に撃たれるは、レバノンでは対戦車ヘリにヘルファイアーミサイルぶっ放され、車ズタズタにされるわ、紛争地ではもう戦車は恐怖の対象であった。表紙にロシア語がかかれているように、じつは本号はワルシャワ条約機構軍のT型戦車の特集。そう思いおこせば、アフガンのT−54戦車からグルジアのT−80戦車まで、新旧含めてワルシャワ条約機構軍いわゆる旧東側の戦車をけっこう撮ってきた。ルーマニアでも首都を制圧した新政府軍のT−62型もぎょうさん撮っていたが、このルーマニア軍のT型戦車はかなりルーマニア仕様に改造されたもので、今回はオリジナルというか店頭発売中の模型とかなりかけはなれとるというのでお呼びがかからなかったものの、まだまだあるで。しかし東ヨーロッパ諸国がつぎつぎEUに加盟していく現在、ワルシャワ条約機構や、コメコンなんてわしが地理で習った用語は死語になりつつある。しかしこと武器に関しては、旧ソ連製は世界を席捲した。もうそれこそ小はカラシニコフやトカレフ拳銃から大はT型戦車からミグ戦闘機まで、世界の戦場、紛争地で売れに売れ続け、テロリストからゲリラにまで愛されつづけている。特にT−34戦車は先日有線テレビの時代を超えたベスト オブ タンクという特集番組でベストワンに輝いた。タイガーやM1エイブラムスよりT−34は戦車総合力では優秀というのである。残念ながら新旧含めて日本の戦車はベスト10にもはいってなかったが。特集トップページにはロシアクーデター時のロシア連邦ビル前でのロシア初代大統領のボリス・エリツィンの有名な演説シーンのカットという荘厳なロシアチックな出だしとなって、編集部の気合の入れようが感じられる。それにしても本誌で紹介されている本職のモデラー先生たちの作品はすごい。やっぱ戦車は模型道の王道である。他には岡部ださくことフジテレビの岡部いさく氏の「世界の駄っ作機」の連載も恒例である。もうすでに単行本5冊はでとるはずやが、まだまだねたが続く岡部氏の知識の豊富さには恐れ入る。さらに1/48スケールのデヴァステーターの新商品も紹介されとる。わしもアメリカ・モノグラム製のを作ったがそれより完成度が高いというが、これグレート・ウオールという中国メーカー製、最近の中国製エアモデルは侮れん。まあ模型の世界だけは金型そのものをパクらんかぎりパクリは無理やから、うでのいい金型師ひっこぬいたやろか?