正論 2014年1月号

正論 2014年1月号
■発行 産経新聞社
■定価 740円(税込み)

今年も新年号の季節になってまいりました。しかし昨年10月に行われた自衛隊観閲式をネタにして、店頭発売は11月はええとして、新年号かいな。グラヴィアの写真を気安く見たらあかんで。あのカット、安倍首相の観閲シーン、計算しつくした労作なんやで。まずはアングル、首相が返礼する角度はもっと左、しかしカメラの固定ポジションはこれ以上右に行けん。ときたま首相が行進を目で追いすぎ右に首が振れ過ぎ、目が泳ぐ。その一瞬を狙うしかない。かつその前を通り過ぎる自衛官と彼ら彼女たちが担ぐ小銃と着剣された銃剣の切っ先が重なるポイントはそう多くはないし高さも4段脚立程度の高さがいる。小銃も89式新小銃は銃剣が短く絵にならんので、64式小銃を狙う。精鋭部隊のひとつでもある習志野の空挺団なんか89式小銃のしかもストック折りたたんだのを胸のまえにつるすからさっぱり写真にならんので、必然防衛大学学生隊か海上、航空自衛隊部隊が狙い目になる。そんでもってもっとも重要なのがレンズとその絞り狙いは首相やから当然超望遠600mm被写界深度がめちゃ浅いのでそのまま撮ったら手前の銃剣がぼけすぎ草むらみたいに見える。絞りすぎたら絵が複雑になり主題がわからんようになる。で試行錯誤をくりかえす余裕もない。で結局おっとこれ以上は企業秘密や。ただで知ろうとは虫がよすぎるで。おんどれでやってみるんやな。難しいで。理論がわかっていても、それを現場で実践するのは。他には本間一誠氏の「NHK殿 一筆啓誅」の「東京だョおっ母さん」を忌避するNHKにはびっくりした。正論は別冊で「NHKよ、そんなに日本が憎いのか」を出しているが、あの昨年亡くなった島倉千代子の大ヒット曲の二番が戦死した兄に田舎から出てきた母が靖国の杜で会いに行く内容やったとはぜんぜん知らなかった。歌詞も紹介されているが、泣ける。2番はまさにあの歌の主題なのに、NHKはおろか日本の歌番組でフルコーラスで流れたことがなかったから、道理で知らんかったはずである。昨年の紅白歌合戦では美輪明宏氏が「よいとまけの歌」をフルコーラスで歌い、おおくの視聴者が感動したらしい。わしも再放送で聞いたが、「土方」にはあらためてびっくりしたが、昨年の紅白はもう終わったから、今年の紅白にはぜひ島倉氏のかわりに日本を代表する女性歌手に「東京だョおっ母さん」を歌ってもらえるであろう。いやアジア諸国に配慮というて、やっぱりようせんか。さらに他には巻頭の折節の記では昨年末の台風30号のフィリピン被害のことも歴史的に開設されている。あの日本の戦後に最も影響を与えたGHQ最高指揮官マッカッサーがフィリピンから日本軍に追われ「I shall return」の有名なせりふを残したのは有名やが、その親父も今回の台風で被害が大きかった、サマール島やレイテ島での虐殺に関わっていたとは知らんかった。わしの乏しいこのときの知識はたしか当時の米軍の軍用拳銃が38口径、つぎつぎと押し寄せる現住民に弾薬を使い果たし最後は拳銃で応戦したが、38口径では何発当ててもひるまなかった原住民が45口径にしたらどこに当たっても倒れたという理由でこの後1911年に陸海の米軍の制式拳銃があのコルト・ガバメントになったというぐらいか。わしもフィリピン取材は長いがそのフィリピンの射撃場でガバメントを撃ってみたが、38口径には圧倒的な信頼感があった。レイテ島のタクロバンもわしも地すべり事故でしばらく滞在したが、まあマッカッサーの時代前からも半年後とに大惨事に見舞われているが、今回も海上自衛隊の艦船3隻も災害派遣されたがその中核となったのがヘリ空母型護衛艦「いせ」であった。先代「伊勢」は航空戦艦、ここレイテ沖海戦では大東亜戦争中最大の謎「栗田艦隊謎の反転」があったものの「伊勢」は戦いを生き残った縁起のいい船である。さらにほかにおなじコーナーに東京のカジノ構想もあるが、猛反対しとるのがパチンコ業者の帰化や在日の半島の方々やったとは・・・なお今回からわしの連載の担当が替わられた。新担当はわしの連載のほかには本誌では「東京五輪で考えたミカドの肖像」というタイトルで猪瀬直樹東京都知事にインタビューされていた。まさか発売してから一月で猪瀬知事が辞職してまうとは・・・