週刊ポスト 1月24日号

週刊ポスト 1月24日号
■発行 小学館
■定価 400円(税込み)

巻頭、後グラと続いての16ページカラーグラビアが「日本史上最高の軍艦」である。まるでかつての愛国少年誌を想いおこさせた企画である。わしも少年漫画の付録で「大和」の主砲が46センチ、世界最大やったのを知ったのが最初である。さて採点方法はまあ特筆すべきところではないが、採点の結果わしは第10位となった巡洋艦「矢矧」の推薦人として掲載された。一応第3位まで順位付けてくれという依頼やったので、第2位は本企画では潮氏が推薦人として掲載された伊四〇〇型潜水艦の先代で、S.スピルバーグのパロディー映画「1941」のもととなった実話に登場する「伊二五」、これ11年前の9.11アメリカ同時多発テロが起こるまでアメリカ本土を砲撃、空襲した唯一の戦果であった。もちろん民間人を人質にとった卑劣なテロと潜水艦戦と同時に語られるべきではないが。いまひとつは井上和彦氏が推薦人として掲載され、第5位になった空母「飛龍」ミッドウエーでは米空母「ヨークタウン」と差し違えて被弾、航行不能になり、最後は友軍から止めの魚雷をぶちこまれたいう悲劇の空母であったが、あの山口多聞司令がこの際が飛龍と運命をともにされたというのは、第5位掲載理由にあげられてなかった。真珠湾、ミッドウエーと南雲忠一中将が派遣機動部隊の指揮官で、ミッドウエーでも4隻の空母艦長はじめ、航空戦隊司令の山口少将まで艦と運命をともにしたというのに、南雲中将は指揮官としてしっかり帰還された。南雲中将にかわってこの山口少将が機動部隊の指揮を執っていれば、いまごろハワイぐらいなら、ビザも旅券もいらんはずやったと、わしは拙著「私の異常な愛情」でも紹介させてもろうている。本企画には軍艦プラモの箱絵作家の上田毅八郎氏とその作品も紹介されているのは、ゼロ戦企画やほかのミリタリープラモや映画の企画と同じやが、上田氏は戦時中船乗りで、乗艦した船が6回も撃沈されても生き残ったというだけあって迫力ある作品である。幸か不幸か現役海上自衛隊艦船は実戦がないので、最強の判断ができんが、後グラで番外として新鋭艦と呉、佐世保2大軍港の125年史のなかで紹介されている。そのなかで「艦これ」のなかで最新式ヘリ空母型護衛艦「いずも」の進水式のカットが掲載されとるが、あれわしも取材したから、一言相談してくれたら、もっとしぶい写真提供したのに・・・と思うていたら、台風30号に襲われたフィリピン、レイテ島に派遣されたこれまた最新式ヘリ空母「いせ」艦上に、普天間から飛んできた米海兵隊のオスプレイが着艦した前で日米指揮官が握手しとるカットも掲載されとるが、これもわし、そこにおったで。担当のかたもみずくさい。こんなビッグイベントにもかかわらず、レイテ沖の「いせ」にあの日取材訪れたのは、自衛隊が募ったにもかかわらず、ワシのほかは2名、うち一名は現地のマニラ新聞、言うてくれたら、あのときは他には共同通信の記者だけやったから、共同さんよりちょいとだけ勉強させてもらったギャラで手を打ったのに・・・みずくさい。背表紙には映画「永遠の0」の宣伝か・・・早く行かんとロードショー終わってまうやないか・・・