カメラマガジン 5月号

カメラマガジン 5月号
■発行 (株)エイ出版社
■定価 850円(税別)

シリア帰りの横田徹カメラマンのご紹介で本誌の本号の特集「あの人のッカメラバッグの中身」に登場させてもろうた。それにしてもカメラマンそれぞれである。わしと同じドンケあり、タムラックにロープロ、はたまたハンドバッグやリュックタイプありである。はっきり言うて、わしのが一番中身が多い。カメラバッグの中身のついでに拙宅の押入れの中身やプラモまで撮影されていった。実際誌面に使用されたわしの写真は近所の桜満開の松ノ木公園で撮ってもろうたが、桜がぜんぜん写ってない。まあ発売時期には散っているからやろうが、このとき愛機CANON EOS 1D Mk.Wを手にしているのやが、これが撮影終了後三脚穴にねじこんでいたリングごとスカッとぬけ駐車場のアスファルトにゴツン。付いていたレンズはこれまた新刊写真集のために買った24-70mm F2.8U.ストラップは愛用のBLACK RAPID ウサギのラビットではなく、速いのラピッド。ストラップが絶対ずり落ちないから、イライラすることもないし、文字通りすばやく構えられるから、ハイチの震災取材からの帰国途中NYで購入したものをずうと使っていたが、最近量販店でも見かけるようになった。これたしかにずり落ちない構造なんやが、ふつうのストラップみたいに2点で結ぶんではなく三脚穴一箇所にリングをねじ込み、そのリングにカルビナをひっかける。カルビナのストッパー締め上げリングが絶対hなずれないようにもできるが、三脚穴のねじがゆるんだらいとも簡単にはずれてしまう。NYの専門店を紹介してくれた、プロご用達の機材専門店 銀一の2代目若社長が同級生だったこともあり、気軽に紹介してもらったぐらいやから、当然この製品を知っていたことになる。しかも2代目は母港卒業した後しばらくNY支社で修行していたからなおさらである。その2代目になんで銀一でもこのBLACK RAPIDを商わんのか尋ねたらまさにその一点止めの欠点から「自己責任ストラップ」だからだと言っていた。たしかにずり落ちんからイライラせんが、落ちる時は一気にゴツン。事実わしも今まで5〜6回は三脚穴ごと、3〜4回はカルビナが緩みその隙間からリングがはずれ、等何度かある。どれも一歩間違えたら致命的。空撮時にやったら、人殺しかねん。というわけでリストストラップで二重のセイフガードをかけた。これで三脚穴から抜けてもリストストラップが落下止めてくれ、実際このおかげで落下防いだのが1回。えてしてめんどうくさいからとリストストラップをかけないときにかぎって事故がおこる。この取材後のときがまさにそれ。せっかく他の写真家がだれも使ってないからと自慢したわけやないが、見せびらかした直後にゴツンという情ないことになったのである。取材にこられた記者、カメラの方の手前たいしたことないですよと強がっていたが、早速キャノンに持ち込んだら「あきまへん、上半分全部総とっかえ。こんな穴まで開けて、ただで済むわけないっしょ。レンズも光軸ずれてますわ。」との診断結果。泣き崩れましたわ。取材協力のギャラなんぼでるかしらんが、確実に赤字や。てな修理上がりの日が怖い日々やが、それでもわしはBLACK RAPID使うで。他の写真家の道具やカメラバックの中身も勉強になるわ。わしと同い年のマグナムのメンバーも登場されとるが、このフランス人作家はマグナムというより、ファッション系の作風。カメラもやっぱライカである。同じマグナムでもキャパ、ブレッソンと並びパリのカフェでのマグナム創設メンバーのデビッド シーモア、通称「シム」のしぶい作品も掲載されてるで。他には写真家ではないが、エジプト考古学者の吉村作治氏のカメラバッグはすごい。ニコン、キャノン、ミノルタとカメラメーカーごとにバッグを用意している。考古学者人生50年のうち20年をニコン、20年をキャノン、10年をオリンパス、それらのバックアップ用にミノルタを使っていたという。それらなら下取りだせばええのに、とも思うが・・・まあわしもむかしの愛機、使いもせんとタンスのこやしになってるが。さらにカメラと天体観測が趣味のタレントの篠原ともえさん、かわいらしい白とピンクのツートンのバッグやが、作品はたいしたもんである。自称カメラマンや、なんちゃってジャーナリストよりよっぽどプロらしい中身である。巻頭にライカ京都店が紹介しとるが、これはライカいや京都らしい。まるで何世紀にわたって続く老舗みたいで,それもそのはず、祇園の町屋を改装したもの。まあ店内もしぶい。京都店オリジナルとしては総業450年の京友禅のレザーポーチ、300年以上の歴史を誇る西陣織の老舗とコラボしたカメラバッグと、ライカの歴史よりはるかに古いアクセサリーも用意している。この2つは読者プレゼントになっとるからわしも応募したろ。さらにライカ京都店で販売してるもんではないが、日本の伝統工芸にこだわった新製品を発表しているZIN DESIGN OFFICEというメーカーのKiri-tansuという茶道具をさんこうにしたカメラ保管庫とKumihimoという加賀綿のカメラストラップもしぶい。両方とも意外にリーズナブルな値段である。さらにライカがらみの製品、ホロゴンである。15mm F8 レンズである。レンズはカール・ツァイス製だが、ライカMマウント。開放値F8で、周辺光量が落ちることから専用のフィルターが必要というパノラマカメラのレンズみたいなかなり古いレンズ設計やが、これがまたしぶい味わいを出す。わしも空撮でもっとあたらしいくワイドな14mm F2.8を愛用しとるが、それより自然な感じである。まあほかにもライカがらみや銀縁写真集の企画でつう好みの専門誌である。「カメラ少年のぶらり街歩き」ではわしが高校時代愛用しとったマミヤ ユニバーサルプレスまで紹介されとる。当時で6X7、シャッターレリーズが左指という個性的なカメラを当時高校生でよう使いこなしとったもんである。最後の編集後記「カメラ日記」では拙宅まで紹介してくださり、一冊まるまるすみからすみまで楽しめる一冊である。既存のカメラ専門誌ほどお高くとまってないしヤング向けの「カメラマン」誌、「キャパ」誌より高い年齢層対象ですみわけもできとる。定期購読をお薦めするで。