正論 6月号

正論 6月号
■発行 産経新聞社
■定価 780円(税込み)

今回の連載はお国の安全とは縁もないが、国民の多くの耳目を集めた記者会見の取材であった。わしも週刊誌からの以来というか、実家に帰っていた配慮で、関西の仕事を振っていただいた。難病のせいで、2度も死線をさまよい、自らも快復の可能性は現在の医学では無理と言われた眼病を患う身としてはSTAP細胞の発見は人事ではない。とはいえわしも含め、いったい何を言うとるのかさっぱり理解できん、難解な記者会見であった。翌日の新聞も一面から扱っていたが、やっぱようわからん。毎日新聞なんか全質問掲載、ようは記者もわからんから、読者に判断丸投げしよったぐらいっである。スポーツ紙なんかファッションや髪型までちゃちゃいれるしかない。「謝罪ファション」と名づけたとこもあった。が、人事や無いわしの印象は違う。みんなの党の代表みたいに、都合悪なったら国会にも姿現さん女の腐ったやつよりよっぽど腹がすわっとる。なんとかSTAP細胞を普及させ、一般化できれば、母の劇的快復も望めるもんである。本誌ではソ連、ロシアと続く対日謀略の特集が多い。アフガンにともにいた元産経新聞モスクワ支局の佐藤貴生氏も「ウクライナに見る ロシア流侵略の極意」を寄稿されている。佐藤氏は9.11直後のモスクワのタジキスタン大使館でタジク入国のためのビザ待ちの待合室で初めてお会いし、その後はタジキスタンの首都ドシャンベでアフガン入りのため、アフガン北部同盟のヘリ待ちでしばらくおられ、アフガンにはいってかたもいっしょにアフガン入りし、その後もともに動いていたアジアプレスの綿井健朗氏といっしょにアンジュマン峠を徒歩で登られているとこでも遭遇した。当時の佐藤氏はまだモスクワ支局員ですらなく、確か社会部やったか、それでも流暢なロシア語を話されていた。産経の佐藤氏とアジアプレスの渡井氏は考え方が全く違うが同じ低予算なのか、うまくやられていた。最近ではシリアで射殺された山本美香氏の葬儀が氏の故郷でもある山梨の都留で行われたが、そこで久しぶりに再会した。葬儀には渡井氏も出席しており、佐藤氏はわしよりむしろ渡井氏との再会をなつがしがっておられた。思想を越えてまたいっしょに仕事ができれば・・・だが、当時のアフガンのような現場はそうなかなか現れんであろう。