正論 12月号

正論 12月号
■発行 産経新聞社
■定価 780円(税込み)

今月の連載は「ガダルカナル島での遺骨収集活動」について述べさせてもろうた。写真は焼骨式で荼毘にふされる推定178柱の英霊である。このシーンは週刊文春グラビアページでも掲載されたが、実は当初はわしはこの推定178柱の英霊を祖国までお連れする練習艦隊に同乗して、餓島に上陸するつもりであった。そもそもわしははずかしながら餓島が「ソロモン諸島」という英連邦に属する国であることも知らんかったのである。入国ルートも何航空で行けるのかも知らんかったのである。それならシドニーから練習艦「かしま」に乗って練習艦隊戦後初の、日本の軍艦にとっては69年ぶりの「餓島入港」を取材しながら果たそうと計画していたら、なんと練習艦隊が晴海出航するまえから、同乗取材はすでに定員一杯、不肖・宮嶋の一匹くらいなんとかなるでっしゃろとあらゆるルートでねじ込むも「無理!すでにずうと前から同乗されるジャーナリストが2名申し込んでおり、今からでは絶対無理!」という「ああ無情・・・」の最終ご返答であった。そのため成田からシンガポールさらにブリスベーン、そこから餓島にあるソロモン諸島の首都、その名も「ホニアラ」入り、乗り継ぎ待ちいれて計26時間、チケットも高いこと。ほんまはニューギニア航空の成田ーポート・モレスビー便を使えば乗り継ぎ一回せいぜい10時間ぐらいやったんやが、この便が土曜一便のみやったのである。遠回りの乗り継ぎ2回、どれか一個でも欠航、遅れで練習艦隊入港に間に合わんかったら何のために時間とゼニかけていくのか分からんという、出発前は極めて現実的かつ英霊に対し申し訳ない理由でホニアラ入港3日前に到着でけるよう予定を組みなんとか予定通りホニアラに入った。首都のホニアラの名も知らんかった非国民のわしである、宿泊もいったいどんなとこがあるのかも当然知らず、遺骨収集団も宿泊してる「キタノ メンダナ ホテル」にチェックインしたのである。餓島には首都ホニアラとかキタノ ホテルとかなんやめずらしいというか日本語みたいな名もあるが、これはひとえに現地の対日感情が良好というのもあるが、キタノは長野に本社がある北野建設という建設会社が経営してるホテルなのであった。あの40ウン歳のスキーのメダリストも所属している、スキー場建設なんかも請け負っている会社なのであるが、そんなことも知らんかったのである。予約も銀座にある北野建設の支社に電話してとったが、予算をはるかにオーバーするリゾートホテルであったが、そこに宿泊できたおかげで現地密林で何日も野営を続け遺骨収集のボランティアをやられている「ソロモン会」の皆様や、厚生労働省や在パプア・ニューギニア日本大使館の方々とお会いすることが叶い、翌日の「焼骨式」の予定を聞き、取材することになったのである。「かしま」に乗って上陸してたら、全く知らずに終わったかも知れない、めったに見れない密林での荘厳な儀式にこうやってめぐり合え、まさに英霊のお導きを感じずにはおれなかった・・・のだが、じつは翌早朝、ソロモン会の皆さんといっしょに「焼骨式」が執り行なわれる、丸山中将が切り開き、そこが皮肉にも幾万の将兵が敵弾に病に飢えで倒れることになった通称「丸山道」の入り口近く、ホニアラ郊外のコカンボナ地区のココ村に同乗するはずやったのが、携帯電話の自動ローミング時差補正が1時間なんでか知らんが遅れているのに、さっぱり気づかず、誰もおらんロビーでぼーと待ち続け、8時になっても誰も来なくなって初めておかしいと気づいた。キタノホテルのロビーまわりはなんでか時計もなく、いやあったけどわしが気づかんかっただけかな・・・あわててフロントで現地時間尋ねて1時間の遅れに気づいた。即ホテルの自室で待機しとった厚生労働省のお役人つかまえ現場の場所聞いたが、地区の場所しか教えてくれず、そのままタクシー飛び乗ったが、それがいくら走っても現場に着かず、結局運ちゃんも分からず、道端のひまそうに座っていたおっさんにかたっぱしから声かけ、ギリギリなんとか汗だくでたどりつくことができ、そのときの作品がこれなのである。ろくに役立たんかった運ちゃんはその場ではなしたつもりが、夕方すべての儀式が済んだ頃、現れ丸1日分の料金請求されるはめになった。まあ遺骨収集では現地の部族の協力は不可欠、対日感情悪化しても今後の収集活動に支障きかしたら、英霊に申し訳ないのでおとなしく支払った。しかし作品はそんな金額なんかものともせん素晴らしいもんとなったので、本誌買ってぜひご覧になっていただきたい。他には朝日新聞が捏造した「強制連行された従軍慰安婦」の批判記事、論文が目白押し、もう本誌読み進むうちにはらわた煮えくり返ってくるが、そこでまたグラヴィアページのわしの写真見てクールダウンしていただきたい。最後の方の連載「メディア 裏通信簿」でもそんな朝日新聞や朝日による捏造報道をかばったり、いたしかたないと、いまだそんな方がおるのかいなと首かしげる・・・わけないか・・・朝日にぶらさっがたり、反日報道で食ってる日本人同業者が少なからずおるからこそ朝日はここまで新聞出し続けることができたのであるから、まあそんな方々の意見を冷静に分析されておもしろかった。ただこれはわしも口すっぱくして言うが、そんな捏造を信じた意見を表現する自由もわしは認める・・・が、当然反論活字や写真でさせてもらうが。