産経新聞 9月3日号

産経新聞 9月3日号 産経新聞 9月3日号
■発行 産業経済新聞東京本社 2015
■定価 一部110円 月ぎめ3,014円(税込み)

今月の原稿はなんと北京でしたためた。宿は四半世紀もまえに起こった天安門事件直後に滞在していた建国飯店、当時はファイヴ・スターズ、一泊200米ドル以上したと思う。中国ではホテルが飯店、レストランではない、飯屋は酒店と書く、これ常識、汽車は鉄道やなく、自動車、とまあ逆に漢字知っとるだけにややこしい。それよりもっとややこしいのが大陸への出入国。わしは中国大陸に初めて足を踏み入れたのは35年も前、まだ学生やった。当時は大陸への個人旅行は認められておらず、東京の中国大使館で通過ビザなるものを取得、往復ルートでなく、中国滞在最大5日という条件でやっとこさソ連から鉄路で越境、北京でいったん降り、ちょこっと滞在、さらに上海までまた鉄路、上海から空路か、鑑真号で海路、神戸までという気の遠くなるコースであった。当初はまだ冷戦まっさかり、ソ連がバリバリ、中ソ冷戦のまっ只中、ザバイカルスク、満州里中ソ国境を越えた瞬間中華料理の食堂車に飛んでいったもんやが。日本人旅行社に対するソ連の冷たく厳しい態度に対し、暖かくおいしいホスピタリティーに感動まで覚えたもんやが、今回の北京訪問では当時のような歓迎ムード・・・どころかもろ「反日」、日本人にとっては実に不愉快な3日間であった。他には一面には産経新聞の大山カメラマンが「御嶽山噴火災害」の空撮で新聞協会賞を受賞された一報とその作品が掲載されている。当時民間人が立ち入れなかった噴火直後の御嶽山頂上はもうヘリからの空撮しか方法がなかったが、ヘリの空撮は天候、飛行時間、距離に大きく左右され、そんなに長く現場上空におれん。そのわずかな現場上空でしかも近づきすぎたら火山灰が舞い上がりヘリのタービンエンジンが吸い込んだら、墜落の恐れもあるからかなりの上空で距離も高度もとり、かなり遠距離から、しかも揺れの激しいヘリの機内でよくぞ生存者を発見された。しかも周囲は火山灰でグレー一色。一面に掲載されたのは自写自賛的かとも一瞬思うたが、生存者の確認もできたら、それも当然か。大山カメラマンによると、レンズは800mmおそらくニコン製か、まあ新聞のカメラマンは空撮でまず使わんレンズやが、わしは500mmは持ち込む。