正論 2018年1月号

正論 2018年1月号
■発行産経新聞社
■定価780円(税込み)

本誌での連載始まって10年以上、いやもっとかな・・・いっかな単行本化される気配もなく、年が明け、2018年最初の連載にしたら、あまりに気色悪い事件が起こり、わしも久方ぶりにガチガチのてんぱった現場に出動した。2月で9人を手にかけた、ワシが知るだけで麻原彰晃に次ぐ異常な極悪人、いや麻原は殺しを人にやらせたヘタレやが、こいつは自らの手で9人もの被害者の首を絞めあげたのである。楽しみながら、わずかなカネのために。その証拠に取り調べでは自慢するようにペラペラとよう謳いよるのである。こいつは送り(送検)の間の車中ずうっと手のひらで顔を隠し続けていて、一回も素顔をわしらにさらさんかった。両手もギリギリ手錠が写らん高さでまあカメラマンをいらいらさせた。まあこんな悪党でもわずかな抵抗やろ。それで、こいつの両の手の甲ばっか撮って気がついた。このあたりが現場でファインダーのぞきっぱなし、こいつの素顔にもっとも近づいたわしらカメラマンの特性や。こいつ自らで9人をも人間を絞め殺しときながら、その指は女のように細くて、異常に長いことにファインダー越しに気がついたのである。まあ見たって。ほんまに気色悪いほど細くて長い。