正論 9月号

正論 9月号
■発行産経新聞社
■価格840円(税込み)

今回の連載は、いっやあでっかいわ。ハワイでも見たけど、アメリカの病院船「マーシー」やもうほんま動く巨大病院、アメリカはこんながあともう一隻、西海岸にマーシー東海岸に「カムフォート」。なぜか海軍の船やのに、病院艦といわず、病院船。これはもとがタンカーとして建造されたっちゅうこともあるし、クルーのほとんどが軍医もおるやろうが、医療関係者やからである。そしてこの病院船はジュネーブ条約でも攻撃を禁止されてるという特権がある。から何やろうが、中国は病院船をわざわざ尖閣沖まで持ってきたのである。その名も愛称やが「平和の方舟」。ロシアもある。少なくともウラジオストクでワシも白い巨体をみた。まあ米中ロほど戦せん我国は必要ないとやっぱ自衛隊の予算増に反対する野党のセンセイ方のアホノーガキはどうでもええが、アメリカ人のテロと戦争の死者並みに我国での天災による犠牲者は多い。東日本大震災始め中越沖地震と沿岸部の犠牲が高い。なのに我国には今だ病院船はない。これはちょっと考えただけでも分かるが、病院船は空母なみに金がかかる。高価な医療器材や薬剤などの備蓄もさることながら医師、看護士、薬剤師を何千人も確保せなあかん人件費である。マーシーも実はふだんは医師や看護士を常駐させ、岸壁で普通の外来患者招いて医療行為やっとるわけやない。テロや湾岸戦争などの実戦のときはもちろん、訓練の際に急遽医療スタッフを招集させるので、出港までに5日以上かかるのである。まあそれでもたった5日で人材、機材、薬剤完璧に揃えられる大病院もすごいでって、考えただけで大金かかるわ。日本が病院船持つにしてもマーシーの7万トン、全長280m、ベッドは1000床、医師、看護士だけで1300人は無理でもその10分の一でも大変や。もう防衛医科大出身のドクターだけでも大変や。どっかの医大みたいに裏口入学したやつのペナルティーとして、借金詰めさせられるやつが乗らされるマグロ漁船みたいに何ヶ月か降ろさんようにする・・・ってそんな危ないやつを医者にしたらいかんがな。そもそも。それでも必要やで。それにはやっぱ空母と同じように、政治家の強烈なプッシュやけど、なんでかこんな天災多発の我国にもかかわらず、与野党、いや、野党の何でも反対センセイのせいで一向に盛り上がらんやないか・・・他には同じ白黒グラビアページに酒巻俊介先輩の高円宮家の絢子女王陛下の写真が掲載されている。ワシも同じ現場、海上保安庁創設70周年記念観閲式、総合訓練取材しとったが、その際、宮内庁通じてやろが、宮様にカメラ向けるなとお達しがあった。まだ誰も絢子女王陛下が婚約、結婚されるなんて知らんかった。ましてや御婚約者が日本郵船にお勤めしてるなんかも全く知らず。はて宮様が空砲とはいえ、銃を使用した訓練を臨席されるとは珍しい。しかも高円宮妃殿下とごいっしょとはと。宮内庁は秋篠宮家の眞子様の自称婚約者の身元はろくに洗わず、今秋篠宮家はもう困惑の極み、そのご心痛はワシら平民でさえ察するに余りあるが、そんな肝心なことはやらんと、この日は過剰な配慮をワシらカメラマンに要求する。そりゃあ宮様が不愉快な思いされたり、その見学のじゃまになるっちゅうなら、分かるけど。それでどうなったかというと、宮様はご婚約発表が近いからやったどうかはワシらのカメラに気づくと気さくに手をふってくださったのである。酒巻先輩の写真はその瞬間に撮られたもんである。どないする?宮内庁の小役人?それでもわしらに今流行の言葉で言うたら「カメラを止めれ」と言うのか?あかんやん。宮様のお気持ち、ご配慮を考えてワシらは当然シャッターを切らせていただいた。